【STORIES】プロダクトアウトは自分探しの旅

前回投稿してから久々のSTORIESです。
今回は『プロダクトアウトは自分探しの旅』という話を残しておきたいと思います。

一般的にプロダクトやサービスを開発する際に取られるアプローチ方法はマーケットインかプロダクトアウトだと言われます。
マーケットインとは市場の声(ニーズ)を聞き、それを元にプロダクトやサービス開発を行う顧客視点型の手法のことです。
代表的な例はロボット掃除機や缶コーヒー等がありますが、一般的にはリスクが少なく短期間で開発できる一方で爆発的にヒットする確率は少ないと言われています。

一方プロダクトアウトは、自社の方針や企業の強みや技術に基づいて『これはイイっ!』と思うプロダクトやサービスを開発する手法です。代表的な例はSONYのウォークマンやiPhone等です。
かつてスティーブ ジョブズはこう言いました。

ある人たちは「顧客の望むものを与えよ」というが、それは私のやり方ではない。
私たちの仕事は顧客が望むよりも先に彼らがこれから望むであろうものを理解することなのです。

まさにプロダクトアウトの思想です。要は皆自分が本当に欲しいものに気づいていないと言うのです。
世界で初めて自動車を創ったヘンリー フォードの言葉はもっとわかりやすいかもしれません。

もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは「もっと早い馬が欲しい」と答えていただろう。

1908年にデビューしたT型フォードは馬で移動する世の中を一変させ、現代のモータリゼーションの礎を築きました。当時の人々が自動車そのものが存在しない世の中で「自分は自動車が欲しいのだ!」と考えるわけないことぐらい想像に難くないでしょう。

しかしプロダクトアウトはこういった世の中を変え得る革新的な大ヒット商品につながる可能性がある一方で、顧客ニーズに合わない場合は売れない商品が誕生してしまうリスクがあります。

さて当社のAIスピーカーは言うまでもなくプロダクトアウトな商品です。世の中に自動で家の状態を把握してBGMを流してくれる商品なんてありません。完全に当社の趣味嗜好の延長で産声をあげようとしている商品です。

では何故プロダクトアウトは自分探しの旅なのか???
プロダクトアウトの商品を販売すると言うことは自分が「これはイイっ!」と思う人たちを探すこと、つまり自分と似た感性を持つ人たちをターゲティングすることと同じだからです。
さらに自分の感性のどこの部分と似ていることが重要なのだろう、と深みに入っていきます。
ただの音楽好き??いや違う、インドア派??いやそれも違う、、うーーん、、外食やお酒が好きな人???いや、シーンとするのが苦手な人??

いろんな自分の構成パーツで当てはまりそうなポイントを持つ人を探してフィージビリティしてもハマらない、、逆に思いもしなかった人の方がハマったり。。。
もう、めちゃくちゃ難しいんです。今は試作品を貸し出したりして試してもらったりしてますが、自分のどこがこの商品を「イイっ!」と言っているのかいるのか、ずっとずーーーっと探しているのです。
未だに答えが出てこない、これはまさに自分探しの旅です。

幸か不幸か、まだ半導体が流通するまでには少し時間がありそうですので引き続きフィージビリティを実施していきたいと思いますが、常に心地よい音に包まれていたいと言う希望がある方は理由など是非教えていただきたい。当社のTwitterアカウントやFBアカウントもありますので、DM等でご意見いただけると幸いです。

いやしかし、『プロダクトアウトは自分探しの旅』だとしたら『マーケットインは他者理解の旅』ということのなのかも知れません。
プロダクトやサービスを開発することは奥が深く本当に面白いですね。

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